コンポストを試したいけれど、続くか分からないうちに数千円の容器を買うのはためらう——そんなときは、家にあるもので代用できます。分解の仕組みは容器で決まるわけではないので、条件さえ整えば専用容器と同じように堆肥はできます。
代用容器に必要な3つの条件
- 深さがある(30cm以上が目安) — 生ごみを十分な深さに埋められること
- フタができる — 雨・虫・においを抑えるため
- 通気か排水を確保できる — 穴を開けられる素材であること
この3つを満たしていれば、たいていの容器は使えます。
家にあるもので使える容器
| 容器 | 向き | 注意点 |
|---|---|---|
| フタ付き衣装ケース | ○ 深さがあり容量も十分 | 穴あけで割れることがある。土の重みで変形も |
| フタ付きバケツ | ○ 扱いやすい定番 | 通気が悪いので穴あけ必須(作り方) |
| 発泡スチロール箱 | △ 保温性が高く冬に有利 | 割れやすい。紫外線で劣化。短期向き |
| プランター・植木鉢 | ○ ベランダ向き | 深さ30cm以上が必要(やり方) |
| りんご箱・木箱 | △ 通気性は良い | 底がないものが多く、屋外の土の上限定 |
| ゴミ箱(フタ付き) | ○ 高さがあり使いやすい | ペダル式は構造が複雑で洗いにくい |
| 段ボール箱 | ○ 定番。通気性が高い | 雨に弱い(段ボールコンポスト) |
避けたほうがよい容器
これは向きません
- 底が浅いもの(20cm未満) … 生ごみを深く埋められず、においと虫の原因になります
- フタがないもの … 雨・虫・においがすべて防げません
- 金属製で穴を開けられないもの … 通気も排水も確保できません
- 食品保存に使っていた密閉容器で、今後も食品に使う予定のもの … 一度コンポストに使った容器は食品用に戻さないでください
- 透明な容器 … 光が入ると藻が生えたり、中身が見えて心理的な抵抗が大きくなります
代用容器を使うときの共通の準備
底と側面に穴を開ける
底に水抜き穴、側面上部に通気穴を開けます。5mm程度で十分です。大きすぎるとコバエが入ります。密閉発酵(EM・ボカシ)でやる場合は穴を開けません。
穴の内側に防虫ネットを当てる
不織布や防虫ネットを内側から貼り、空気は通して虫は通さない状態にします。この一手間で虫のトラブルがかなり減ります。
台の上に置く
地面やベランダの床に直置きすると、水がたまって底から傷みます。ブロックやすのこで数センチ浮かせてください。
受け皿を敷く
ベランダで使う場合は必須です。床の汚れとにおいの染みつきを防げます。
基材を入れてから始める
いきなり生ごみを入れず、基材を3〜4割ほど入れてから始めます。基材の選び方を参照してください。
代用容器と一緒に用意したいもの
代用容器は通気・防虫・水はけを自分で補う必要があります。基材と防虫ネットがあれば、たいていの容器はコンポストとして使えるようになります。

もみ殻くん炭(園芸用土壌改良材)
腐葉土・くん炭など基材用の土壌改良材

防虫ネット・不織布カバー(家庭菜園用)
防虫ネット・不織布カバー
価格・在庫は変動します。最新の価格は各販売サイトでご確認ください。
素材別の注意点
プラスチック容器(衣装ケース・バケツ・ゴミ箱)
穴あけ時に割れることがあります。キリで下穴を開けてからドリルで広げると割れにくくなります。冬場は樹脂が硬くなって割れやすいので注意してください。
発泡スチロール箱
保温性が高いため、冬でも分解が止まりにくいのが最大の利点です。一方で紫外線に弱く、屋外では数ヶ月で脆くなります。かけらが土に混ざると回収が難しいので、劣化してきたら早めに交換してください。冬の管理は冬のコンポスト管理を参照してください。
木箱・りんご箱
通気性は良いものの、底がないものは土の上でしか使えません。また木材は腐ります。詳しくは木製コンポストは腐る?を参照してください。
代用で始めて、続きそうなら専用容器へ
代用容器の目的は、「自分が続けられるか」を安く確かめることです。1〜2ヶ月続けられたら、専用容器への移行を検討する価値があります。
専用容器のほうが優れているのは、次の点です。
- 通気・排水・防虫の設計が作り込まれている
- フタの密閉性が高く、においが漏れにくい
- 取り出し口があり、完成した堆肥だけ取り出せる製品もある
- 自治体の補助金の対象になる場合がある
とくに補助金は見落としがちです。電動タイプやコンポスト容器の購入費に対して、1/3〜1/2の補助が出る自治体が多くあります。
あわせて読みたい 【2026年最新】コンポスト・生ごみ処理機の自治体別補助金(助成金)を徹底解説 多くの市区町村では、生ごみ処理機やコンポスト容器の購入費に補助金を用意しています。相場や申請の流れを知っておくだけで、実質負担を数千円〜数万円単位で抑えられます。住環境に合う製品の選び方は次の記事にまとめています。
あわせて読みたい 【2026年最新】コンポストのおすすめ人気ランキング(全方式比較) コンポスト選びは「価格」だけで決めると失敗しやすい買い物です。住環境・手間・予算の3条件で絞り込む考え方と、タイプ別のおすすめの選び方を解説します。100円ショップの材料でそろえる方法は100均グッズで作るコンポスト、自作全般の材料選びは自作コンポストの材料と作り方を参照してください。
よくある質問
衣装ケースでコンポストは作れますか?
発泡スチロール箱でも大丈夫ですか?
代用品と専用容器では仕上がりが変わりますか?
作り方がわかったら、道具とトラブル対策も
必要な容器・基材をそろえ、つまずきやすい虫とにおいの対策を先に知っておくと失敗しにくくなります。
本記事は公的機関の発表資料やメーカー公式情報をもとにつちラボ編集部が作成しました。制度内容や商品仕様は変更される場合があるため、最新情報は各公式サイトでご確認ください。